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2012年2月14日 (火)

納税に真摯な国民性を見る

明け方にでもひどく降ったのか、新聞受けまでびしょ濡れ、新聞はくしゃくしゃになって、読めるものでは無い。
昨日一日中降ったから箱の内部まで雨水が浸透していたらしい。屋根を付けるか、何とかしないといけないな。

昔から郵便受けには随分気をつけて、いろいろ取り替えているのだが、なかなかこれだというのにお目にかかれない。
雨がどこからか入り込むのだなあ。一度大きな屋根を付けた事が有るが、駄目だった。出し入れに反って不便になって早早に取り外した、ポストを2個付けた時があったが、片方ばかりに入れられてこれまた役に立たなかった。
普段は何でもないことなんだが、ときどき思いがけないことがおきるんだな。

午後遅く買い物に出たついでに税務署に立寄り所得税申告用紙を貰って帰る。同じ用事の人が次から次えと多いのに驚く。
もっとも明日から申告月間だからだろうな。なんと真摯な国民達であろう。
日本がどこかの国のごとく大騒動することは、この国民性なら先ず起こり得ないな。

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河北君のシベリア送り脱出行(手記)(その34)

○夜食の楽しみ

この彼女等に取って、又私達炊事当番にとって、一つだけ楽しい時間があった。
それは彼女等に割り当てられた夜勤の間に、休息を兼ねて交互に食べる仕組みになっていた夜食の時間であった。そして私達炊事当番が交代で1名、彼女等の為に夜食を作って食べさせることになっていた。

この時間は全く病院の管理外に置かれている状況で、薄暗い炊事場で炊事をする当番の一人の男性と、夜食を食べに来る日本人女性数名のみの時間となる。デートいうにはほど遠く、一膳飯屋の屋台に腰掛けた女達と、飯を盛る若い男との世間話みたいではあったが、解放されて放言出来る気分のいい時間ではあった。
差し向かい的な色気はないが、日本人同胞としての男と女の雰囲気が楽しめた。女のうち半数は私より年齢の多い奥さん連中(勿論ここでは独身)が多く、坊や扱いされることもあった。

同時に、この時間の夜食メニューが夜勤のハイライトでもあった。というのは、夜食だけは米飯が支給されることになっていた。飯は勿論、病院幹部、病人の夕食の残りと思われるが、これにネギの一本と食油及び岩塩の若干が夜食の原料となった。
朝昼晩とホーミーパンだけの食事の中で、米の懐かしさは格別である。
大体夜の11時頃彼女等が炊事場に現れると、私は竃に火をつけて釜(この釜はホーミーパンを作る平釜)を暖めて、ネギを適当に切り油を釜へ注ぐ。油が煮え立ったところで岩塩を入れると、ジューと油は跳ね上がる。すかさず米飯を入れていためながら混ぜて、適当に塩味の着いた”チャーハン”が出来上がる。無心にむしゃぶりつく彼女等の横顔に憐れを覚える時があった。

久しぶりの米の味に満足し切った彼女等は、暫くおしゃべりの時間を楽しむのであった。
女性群の中にいつも姿を崩さぬ中年の女性がいた。程々に笑顔を忘れない表情に知的な影を浮かべて、誰にでもやさしく接しているその顔が印象的であった。あとで旧陸軍佐官級のおくさんと聞かされた。

病院に送られて来る傷病兵が次第に増加してきているようだ。国民軍と八路軍との争いも次第にエスカレートしつつある噂が聞かれ始めた。
1週間、1月は夢のように過ぎ去った。単調ではあった。

こんな無駄な日を過ごしていいものかと自問自答しながらも、とにかくこの状況では暫くは内地に帰れそうにもない。ままよ、糞度胸つけて居座ってやろうかという別の考えも出て来た。(つづく)
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