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2012年2月21日 (火)

岩國の路面電車

朝の気温2度と少し緩んだか。
午前中買い物に出る。

中国新聞の別冊の情報誌phoenixの今月号に郷里岩國のことが載っている。子供の頃によく乗った路面電車のことが書いてある。
中学に入った頃、JRの岩徳東線が出来たので廃止されたのだが、懐かしい電車であった。
日本で京都に次いで2番目に古い路面電車だと私は聞いていた。私が生まれる10年以上前に敷かれたらしい。(ということは百年前には出来ていたということだ)
phoenixの挿絵には描いてないが、浦が浜の立石の前から、岩國新町の間、岩國駅前、今津往還橋、招魂場から錦見に廻り、散畠の畠の中を抜けて、岩國小学校の側を通り、岩國新町の華浦銀行前が終点であった。
ほとんど畠の中を通るから、途中から乗り込むものは居なかった。岩國駅から白崎八幡下までは道路沿いだったから、この間を私達は利用したものだ。停留所も4、5カ所しかなかったのでは。錦帯橋へは新町で下りてから、大名小路か本町を歩いて向かったものだった。
椎尾横町に母の叔母の家があったから、よく遊びに連れて行かれたものだ。美味しいもの食わせてもらったり、セミ取りに神社の森に行ったり、盆踊りやお祭りに連れて行かれたり、思い出は尽きない。

私は中学校にはいる時保証人になってもらったから、ますます伺う機会が多くなり、母の従弟が亡くなるまでは、数十年間、非常に親しい付き合いが続いたものである。
従って小学生までは、岩國の街まで行く時は必ず電車を利用したわけで、後年バスが開通したが、その時は中学生で歩くか自転車で通勤してバスに乗ることは一度もなかった。

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河北君のシベリア送り脱出行(手記)(その41)

○豚の夜襲

平凡な生活の中にも時折面白いこともあった。

ある晩、真夜中に2発の銃声に驚かされて飛び起きた。まだ生臭い戦争の記憶が消えていない私達は事件だと直感した。兵士達の右往左往する気配が伺われた。私達も真っ暗な部屋の闇の中で、何時でも飛び出せるように準備した。
しかし、暫くして物音は治まり静かにはなったが、まんじりともしなかった翌朝事件の真相が分かって唖然とした。
歩哨に立っていた兵士が突然、闇の中に迫って来た人影を見て敵襲と思い、身の危険を感じて2発ぶっぱなしたとのことで、かけつけた仲間と倒した場所に行ったら野豚が一頭ぶっ倒れて死んでいたというのが真相であった。
この野豚は早速食膳に上がる事になった。おかげで炊事の中国人が切開した豚の腸を小川の水で洗わせられたが、2日間の豚料理にありついた。トウモロコシのパンとニラ炒めの常食の中でひさしぶりにうまいものを食った様な気がした。
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○夜のトイレ

この付近の民家には恐らくトイレの設備の様なものはないであろうか、私達の住居には勿論付いていなかった。
私達を取り巻く周囲の丘、谷、川、そして林の中、草叢が自然のトイレの場所であった。

こんなことで大自然の恩恵を受けた様な気持ちに落ち着くまでは、生まれて以来の慣習と比べて切ない気持ち、非文明的な境遇に身を隠すように感じられて抵抗が残った。それでも人間として生きている以上は、この行為を止める訳には行かなかった。でも慣れてしまえば、これも捨て難い風情があった。男は良いとして女子群は様子がわからぬまま気の掛かっていたが、こんな面では女性は全く損な立場に立たされるようだ。それでもトイレが全然ない訳では無く、トイレとして独立した小屋があるにはあった。
でも見ただけで使用しようという気にはならなかった。何故なら、この小屋のトイレの部分は地上より高くなって丸太と板の簡単な設備はいいとして、下には数頭の豚が屯している状況を見ればとても気持ちが悪くなって、むしろ青天井の自然の中での行為を選ぶのは当然だろう。
私達は病院の外には出られないので、反対の方向に無限に広がっている起伏の多い林間や野原を求めて散策するのであった。
昼間は羞恥心と作業の日課があるので、夜暗くなってから、月明かり、星明かりを頼りに散策するのも乙なものかも知れなかった。

満天の星を仰ぎながら自然の抱擁の中で、無心に、心行くまで一日の重荷を下ろしたものであった。時折すぐ先の草叢で同じ行為に出くわす事もあったが、暗闇の中では黙っていれば判らなかった。

中には勇敢に話しかけられて、自分が何をしているか判らず話し合う場合もあった。”臭い中”もここまでくれば、むしろ自然の法則を超越したもになっていた。(つづく)
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