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2012年2月15日 (水)

天神様の心にはなれない

降り続いた雨もどうやら上がりそうな気配である。最近では珍しい長雨だった。
庭の木々はさぞかし息を吹き返したことだろう。
10時頃霧の上からすっくと顔を出した弥山の姿が美しい。

ぼつぼつ梅の花便りが聞こえる。が今年はもう梅狩りもできまい。宮島、岩国あたりなら出かけられないことは無いが、昨今の花を愛でる私の心情の問題である。
身体の痛み、痒さは無粋の心をかき立ててやまない。

花を愛するは人を愛するに繋がる。この心を失えばもう終わりだな。


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河北君のシベリア送り脱出行(手記)(その35)

○表彰
そんなある日、私達日本人の勤務者は、この病院の管理者と思われる八路軍の女司令に呼び出された。彼女は国民軍との戦争が終結し、平和が来るまで頑張ってくれという意味の挨拶をした。そして次のように続けた。
”貴方達日本人の中で、誰が一番真面目に働いていると思いますか?1名だけ紙に書いて出してください。” いわゆる無記名投票的な行事が行われた。理由は判らないが、私達の平凡な生活に活を入れる目的か、お互いの競争意識をあふろうとしたのか、当時の私達には初めての事で誰の名前を書いてよいやら戸惑った。結局男女5名位が投票用紙に書かれた名前の多かった者であろう。
女司令はにこにこして、顔つき合わせている男女各5名に更にこのうちから各1名の名前を要求した。幸か不幸か、この男5名の中に私も入っていた。他の4名はお互いに顔は知っていたが名前は知らない者も居た。

私達はよく働いていると思われる者を選べとの司令の希望に拘らず、全くそんな気分にはならなかった。或は褒賞的な期待もあったが、適当に好ましい人を記名した。その結果は5票中3票で私が男子労働者で最も良く働くと選ばれた。
恐らく炊事に居たので皆が知っていたからだろうか、全くありがた迷惑なことだった。女司令は私の握手を求めて中国語でなにか喋っていた。

それっきりでこの行事は終わった。報酬が握手一回のゲームみたいで、馬鹿馬鹿しい行事だった。でも何か気分が良くなったみたいで、その晩はぐっすりと眠れた。(つづく)
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