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2012年1月24日 (火)

70年前の駅伝の記録

予報では雪になるという事だったが、雪のかけらも降っていないし、雲も少しあるが9時現在明るい日ざしが雲間を通して部屋に射し込んでくる。

昨日書いた駅伝競走の記録にちょっと誤りがあるらしいので、訂正します。
1996年1月5日付けの中国新聞によれば、第1回、第3回、第4回が母校岩国中学が優勝、第2回は鴻城中学となっている。私の記憶違いらしい。鴻城に末永というとてつもない強い選手が居た、そのせいで敗れたのであろう。記憶の奥底にその走りっぷりが残像として残っている。
第8回にも優勝を記録しているが、75回になる今年まで以後記録に残る事はない。最近は出場もしていないのでは。
第1回は1936年1月に宇部−徳山間88.9kmを殆ど舗装もなにもない一般道路で始まっている。府県対抗男子駅伝は48kmの舗装道路を走るのだから、比較にはならない。道路事情の良い現在の山口駅伝とも比較は無理である。

私は勿論この区間のどこかで応援した記憶がある。行けなかった事もないではないが。
ともかく熱心な駅伝ファンだったことは間違いない。
80.90となった現在は立っている事さえ難しいのだから、出かけての応援はもう無理である。

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河北君のシベリア送り脱出行(手記)(その13)

11、安堵の宿

目を閉じると、今宵のこれまでの行動が夢のように浮かんで来た。
よく思い切ったことをやったなあ、幸運にも脱走に成功したではないか、やっぱり決断してよかった。失敗したら今頃はどうなっていたろう!
次から次へと自問自答しながら、この時になって本当に込み上げて来る喜びをかみしめていた。

捕虜にだけはなりたくない。戦陣訓に”死して虜囚の辱めを受けず”と教えられたのに、部隊全員捕虜になることに抵抗を感じないのでろうかとも考え、成功するんだったら誰も連れて来ればと残した戦友の顔を思い浮かべているうちに眠ってしまった。
張りつめた気持ちが一気に緩んだように眠り込んだ。

翌日、朝9時目を覚ました。明るい日ざしが窓の隙間から遠慮なく照りつけて来た。
”起きてますか?” 昨夜の小父さんがにこやかに顔を出した。
“大変ですよ! あなたたちは運が良かったね。昨日収容された大学の周囲は鉄条網が張られてソ連軍が警備しているし、みんな捕虜としてシベリヤに送られるそうだと話していますよ。
あなた方も2、3日はここにいなさいよ”

私達の眠気はふっ飛んだ。4人とも夫々考え方は違っても感慨無量なものがあった。

朝のみそ汁のうまさは、恐らく生まれて始めての快い舌加減であった。
寮の人々、特に小母さんたちと子供等が昨夜の侵入者である私達のことを聞いて、珍しげに私達の部屋にやって来た。この寮には新京付近の開拓団の人たちも疎開してきていた。開拓団の小母さんたちは同じ様な境遇だという意味もあって特に親切であった。

私達は身の回りの整理をして、いつでも出かけられるように準備した。
軍服の上衣、背嚢、軍靴を頼んで現地人に売ってもらった。ズボンは当時一般の人も着用していたのでそのまま使うことにした。
開拓団の奥さんが着なさいと云って出してくれたワイシャツ1枚と寮より貰ったゴム靴1足が本当に嬉しかった。
帽子は一般のが軍人と区分して見て貰うように工夫し、戦闘帽のつばを切り取っているのを真似してシャッポのようにかぶることとした。

2日間この寮に潜み部屋より出ないようにしたが、ソ連軍の捜査的な動きもなく街は平穏らしい様子と寮の人より教えられ、ほっとすると同時に寮の人に迷惑がかからなかったことを喜んだ。

子供を連れた開拓団の奥さんと話し込んでいるうちに、つい先日まで軍隊に居たことを忘れてしまう様な錯覚さえ起こす時もあった。
でも夜、眠りに就くとこの数年間の思い出が次々と瞳にクローズアップしてくる。白一色の冬将軍を迎えて、防寒具に身を包み、銃を片手に只一人立哨していたHの陣地守備の思い出が脳裏に刻まれているのか、よく瞼に甦ってきた。それにしても終戦、そして離隊と夏の時期で良かったと言うのが、国境の寒い地方から来た私達の実感であった。(つづく)
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