« インターネットの故障? | トップページ | 日記と記憶 »

2010年10月24日 (日)

記録と小説

朝既に雨しとしと、気温18度。行楽日和とはならない。
食事を終わるとパソコンに余念がない。
今日は古いカメラのメモリを改めてこの新しいMac Miniに入力する。
容量が大きいから、pictureだけなら私の全持ち物を入れても大丈夫だ。またそのつもりでこのパソコンを買ったのだから。ただメモリー式のものは簡単だが、scanを要する写真などは大変だな。何十年にも亘るから一朝一夕には片付かない。残り一生をかけて果たしてどうだろう。

パソコンに疲れ、飽きると今度は読書。目下”醒めた炎”を読み繋いでいる。
大佛次郎の”天皇の世紀”と同じように、残された記録の羅列が多い。従って前に後ろに推測が限りなく続く。
読者には煩わしいこと限りない。しかしこの推測推量が何とも言えず含蓄がこもって面白い。

現代は印刷とコンピューターだが、江戸から明治にかけて記録の大部分は書簡である。
読みほどくのも大変だが、その関連を探り、事実を推測するとなるとさらに難しい。
作者とともに読者も悩まなければならない。

肉体的疲労はただならない。若さが欲しい。
頭脳も霞がかかって、判別機能は定かではない。前を読み返すこともむつかしい。
所詮無駄な読書なんだな。

頼山陽は偉大だな。ほとんど噂程度の記録(いや伝承かな)をもとに、日本外史などという歴史書みたいなものを書き残した。今で言えば小説だろう。
しかし”天皇の世紀”や”醒めた炎”は全くそれとは違う。面白くはないが面白いのである。事実は小説より奇なりというが正にそれである。しかし簡単に読める代物ではない。小説でない所以というところか。
  _________________
(平成20年吉田武中尉遺作メモから、今田勇編集著述「ニューギニア戦記」より)(その111)

フィンシ付近の緯度は南度6度半でいわば赤道直下に当たるが,夜になるとかなり冷えて来るし艇の底は湿気が強い.おまけに大陽の熱は艇内に伝わって来ないし,その上昼夜を問わず蚊の襲撃を受ける.時折激しく降るスコールに艇は何時も水浸しになって,これで濡れた衣服は着たままで自分の体温で乾くのを待つ以外に仕方がない。舟艇隊の生活はどうしても湿気から逃れる事の出来ない宿命を負ってる様だと思った。ここでは風呂に入る事は無く,歯も全く磨く事もないので,誰もが一種独特の異臭を身につけ、この臭いは身体の芯まで染み込んでいる様であった。
或る朝の事,艇に残っていた葛本上等兵がもう駄目だという知らせがあった。この駄目だというのは死亡したということであろうと思い、直ちに八木軍医少尉と一緒に艇に急いだ。ここ数日来彼は弱り切って食事もとらず全く寝たきりの状態だった。八木軍医が脈を取って見るが,全く打っていないという。呼びかけて見たが全く反応はなかった。息も止まったままで無論動きも全く無いらしく,軍医はもう駄目な様に思うが今暫くはこのままにして置きましょうと言った。(つづく)
   ____________________

|

« インターネットの故障? | トップページ | 日記と記憶 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/157907/49829272

この記事へのトラックバック一覧です: 記録と小説:

« インターネットの故障? | トップページ | 日記と記憶 »