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2010年6月 3日 (木)

戦地でのロマンス

昨晩は昼間の疲れが出たのか、それとも食い過ぎたか、風呂から出た後急に嘔吐し始め、夜中まで繰り返し嘔吐がつづき、とうとう腹の中がカッラッポになってしまった。

今朝は食慾が今ひとつなので,お粥にしてもらう。ほんちょっと上澄みをすするだけで終る。
未だ元気はでるので、ついでに物置を手早く片付けて明日を待つ事にする。

岡山の山田君から電話で体調が悪くなって,鳳陽会に出席出来ないと言って来る。
土田君に連絡すると共に,鳳陽会にも電話してお断りする。残念だがとうとう3人になってしまった。老人は全く当てにならない。
私は家内を同伴するのでその旨土田君にいうと、それなら安心だ。年寄りばかりで大丈夫かと息子が心配してたが、それなら大丈夫だと賛成の声を出す。
ただ帰りがいっしょ出来ないのが悪いのだが。

廿日市駅に出掛けたが窓口が3時過ぎまで休んでいるので,五日市駅まで行って、乗車指定席などを購入する。土田君のは新幹線特急指定席だけ。早速土田君に知らせておく。

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(今田勇著「西部ニューギニア戦記」より転載)
セラム島の美人娘とある隊員とのロマンス

これはセラム島の北海岸ゴビに駐在していた兵長の話である。彼は広島県の出身、高等商業学校出のインテリ。現地の言葉を滑らかに使いこなす優秀な隊員であった。彼も軍隊の勤務を2ヶ年で私同様に将校になることを忌避したらしいが、私と同様目算が狂った一人であったようだ。

昭和19年12月に任務の報告と打ち合わせに本部にやってきた時、話が済んでもなかなか腰を上げない。前田隊長が何か相談でもあるのかと聞きただしたところ重い口を開いた話は次の通りであった。
彼はゴビの任地に着いた6月5日以降サゴ椰子澱粉の委託生産等の打ち合わせの為その後屡この部落のカパラ、カンポンの家を訪れていた。
このカパラ、カンポンの一家は40歳半ばを越した夫婦に18歳と13歳の娘二人と16歳の息子に加えて、年寄りの母親一人の6人家族だったという。
彼は此処に来てから隊の任務の打ち合わせに屡この家を訪れているうちに、彼は言葉が良く通じることもあってこの一家と親しく付き合うようになっていった。そのうちに子供3人も彼の宿舎に遊びにやってくることも増え特に長女はやって来た都度食事のことだけでなく、彼のいろんな身の回りの世話もしてくれるようになった。

彼は目鼻立ちもすっきりした男前、背も高く色白でこの隊一番の美男子だったと覚えている。
この島の北岸の住民はセレベス島から移住して来たものが多い。この島のメナドやミナハサ地方の出身の女性は日本の女性以上に色白で美人の多いところであった。私がこの島の北側の部落を訪れた都度、ミナハサ出身の女性を見かけたが、色白の美人が多く日本の女性を此処に見る思いをしたものであった。

とどの詰まりこの一家と付き合っているうちに、彼のほうは消極的だったというが、訪れてくる長女と相思相愛の割りない中になって行き、最近彼女が身ごもったようだという。そこで娘の両親から正式に結婚をと迫られているがどうしたらいいだろうかという相談であった。

どえらい難しい問題が持ち込まれたものだと額を集め半日に亘り協議した結果、前田隊長の決断で結論的にあいての意思を尊重し、波風を立てない方向で処理することとなった。というのは彼は軍務から離れるわけにはいかないが、妻としての彼女の世話を受けることは止むを得ないこととした。
水上隊の責務を順調に進めるためには、全島に影響するようなトラブルは起こさないことが必要だった。その代わりに何時彼は軍の命令で移動させられ、この地を遠く離れることが起きても仕方が無いとの事、相手方一家に十分納得さしておくことは必要だとした。

そして1ヶ月後彼からこの島の慣習に従い簡単な結婚式も済んでカパラ、カンポン一家も大変喜んでいるとの報告があった。
しかしこの喜びも束の間のこと、昭和20年3月21日突然特設水上隊に解散し原隊復帰せよとの命令が下り、各駐留地から個々にこの島西部ビル駐屯の輜重第5連隊に帰隊することとなった。月末に掛けて全員元気に復帰を完了しこの時を以って特設水上隊の任務は終了したのである。

この解散でゴビの二人は当然別れることになったが、このカパラ、カンポンの一家特に結婚した彼女は悲痛なおもいであったろうと思った。原隊復帰をした私はその後2ヶ月足らずの同年5月6日シンガポールの独立混成旅団への転属命令を受けセラム島を去った。そしてビルに残留した彼とは二度と会うことは無かった。
   (つづく)
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