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2010年5月30日 (日)

老人会

朝の気温16度、うす雲たなびくも正に快晴。
いい行楽日和なんだがなあ。
お昼に老人会の総会があり、家内が我が家を代表して出席する予定である。欠席して配り物を班長さんに配達してもらうのは迷惑だろうからである。
よぼよぼの老人だからそれくらいしか役に立つことは無い。

ちょっとそこら辺りまで出かけたい気にもなるのだが、折角の日曜日、ここは道を若い人に譲り閑居するのも又よかろう。
家に居ればすることは何も無いようであるが、探せば結構いろいろある。

物置小屋を建て替えないといけない。雨季になって雨漏りがし始めたらもうおしまいだ。
その時になってからでは遅い。去年から気になっていたことだ。
中の荷物を処分したり、かわしたり、結構準備の負担が大きい。
好天気の続く今を措いて好機はなかなかない。
そうだこれに着手しよう。

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(今田勇著「西部ニューギニア戦記より」)
夜光虫の光る夢のように美しい海峡をオランバイック(カヌー)で渡る

本部にいる私たちは大体月に一回の割で海峡を一つ隔てた中継基地ゲッセル及びゴロン島の倉庫に、その集荷物の収容状況を調べに行くことが一つの役目であった。この海峡を渡るには何時もオラン、バイック(7,8人で漕ぐ大型のカヌー)を使って渡っていた。

この二つの島は夕暮にガアの桟橋を発つと早朝東の空が白む時刻に到着する距離にあった。昼間は定期的に島伝いにやってくる米グラマン戦闘機に襲撃される恐れがあると、この海峡の横断は常に夜、特に月のある夜を選んで渡ることとしていた。

大型のカヌーオラン・バイックで日没ぎりぎりにセラム島南端のオンガルに行く。ここで一休みし、澄み切った空に月が昇って周りが明るくなってきた頃30kmくらい離れているゲッセル島に向かい,
眼の前の海峡にカヌーを乗り入れる。
約2時間位かけてどす黒い色をした深くはあるが穏やかな海峡を漕ぎぬけて、遠浅になっているゲッセル島の海域に入る。何時もの事ながらさざ波が月の光にきらきらと輝く美しい海面が目に映ってくる。透き通って見える海底には彼方此方と白い珊瑚礁で覆われており、この珊瑚礁の間の白い砂地に繁茂している海藻が潮の流れにゆらゆらとゆれている姿は譬えようの無いほどに美しい眺めであった。

さらに目を上げて海面を見渡すと月光に映えるさざ波が青白くきらきらと光り、この中で漕ぎ手の船員たちが漕ぐ調子に合わせて歌うセラム島地方の恋の歌。この歌にあわせて漕ぐ櫂の水音が夢のように響く。そして、後ろに尾を引いて砕ける櫂の渦巻きが夜光虫の光に輝きながら尾を引いてゆく景色は、ここが南の戦場だということを忘れてしまうほどに幻想的な夜の一刻であった。

白々と朝の光がさしはじめた頃に上陸して、朝飯を済まして一休みする。暫くると朝の定期便の爆音が近づき4,5機のグラマン戦闘機が頭上を掠めて通り過ぎると、現実に引き戻され慌しい一日が始まるのが何時ものことであった。
(つづく)
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