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2009年8月27日 (木)

あわれ、ダンピール海峡

灰色の空、気温22度。やや湿度が高いかな47%。

大分先の事だなと思っていた衆議院選挙がすぐ目の前に迫った。どうやら民主党が圧勝の気配濃厚だが、この前人気というのが余り宛にならないことが多いから、過信は禁物だ。
ただ私は昔から党よりは人を選ぶ主義だから、相手は時々で変わっている。今回はまだ考慮中だが、弱者に味方する性向から、投票用紙に誰を書き込むかその瞬間までわからない。

世界柔道選手権女子48キロ級で福見選手が金メダルに輝いた。王者谷の後継者が現れた。身体の小さいのは日本だと言うのが嬉しい。
地元の平岡選手が今度は銀メダルだった。北京の惨敗の屈辱を雪いだ。次のオリンピックでは金を狙う足場が出来た。

弱いカープも昨夜は珍しくヤクルトに大勝した。もう来年を狙うしか無いが、選手一人一人の向上を計らねば向上は難しい。外人にウエイトを掛け過ぎている昨今の各チームは相撲同様どうも面白くない。宝くじを引いてるようで気乗りはしない。
良いのが大リーグに出て行ってしまったからか。10年以下の若い選手に期待したい。

今複写している「ニューギニア戦記」がいよいよダンピール海峡決戦の場面に入った。もちろん全輸送船が撃沈される場面だけれど、よく丁寧に描写されている。戦闘場面は極く瞬間的な事象だから、第三者的に見るわけにはいかない。勢い小説的な描写にならざるを得ない訳だが、最近の様にビデオカメラで命がけでとりまくる人がいればほんとの描写になるのだが。
当時はそんなのはなかったから仕方が無い。

それにしても中隊長はよく覚えていたなあ。この手記の白眉の場面である。
あの時ああだったこうだっとと思い返しながら手記したのだろうが、大局的な事は別にしてこんなに細かくはとても覚えきれない。よほど事象を瞬間的に捉え得る能力の持ち主だろう。敬服する。
(以下ニューギニア戦記より抜粋)  
  ____敵機は旭盛丸を最初の目標にしているらしい。敵の編隊は先ずこの船団の一角を崩す事を狙って、先頭の旭盛丸に集中攻撃をかけてきたと思った。当時旭盛丸は二列縦隊で進む船団の、左の列の先頭をきって前進していたのである。
数発目の一発が左舷の数米先に落下して、船は大きく衝撃を受けて激しく揺れた。その瞬間続いて落下してきた爆弾が1番ハッチと2番ハッチを同時に直撃した。後々の記録によると8時15分に被弾したと書かれていた。

耳を突き破る爆風と衝撃とによって、船上に積んである資材も人も吹き上げられ、甲板上に打ち付けられた。同時に1、2番ハッチから真っ黒い煙が立ち昇った。
ブリッジは2番ハッチのあふりを食って前半分が引き千切られふっとんでしまった。今まで平穏であった船上は一瞬のうちに騒然となり、目の前が真っ黒になる様な衝撃を受けた。

敵編隊は悠々と煙の立つ中を轟音を残しながら飛び去ったいった。
2番ハッチの上には大発動艇が二段に積載してあった。蛙を押しつぶした様に支柱が折れて飛び、ペシャンコになっている。
暫くするとハッチに積み込んであった弾丸が火に巻かれて誘発し始めた。
破裂音、煙、怒号と船舶砲を打ち上げる発射音と、狭い船上を右往左往する将兵たちの呼び合う声等、忽ちにして船内は修羅場と化した。隊員は何から手を付ければ良いか迷った。本船のエンジンは停止しているが、船は惰性でまだ前に進んでいた。
ハッチから黒煙が猛烈な勢いで吹き上げているし、また赤い炎も吹き出していて、船は非常に不安定な状態になっていた。
ハッチの中での火災が大きくなったようで、火が回ったらしく、砲弾が破裂する音が甲板まで伝わってきた。船の速度が次第に遅くなってきて、左舷側に向って徐々に傾き始めた。忽ちにして本船は船団から離れてしまった____

____船上にある浮遊物を左の舷側に運び海中に投げ入れる準備をする。
当時の海上の状況を詳しく記録に残した小泉分隊長の日記によると、「1番船倉は火の海となり中の兵員室は飛び散った肉塊と血の海の中で、負傷兵たちがのたうち回っている光景はまさに地獄であった。
底に積み込んだガソリンへの引火爆発による火災は手のつけようが無い。甲板に昇るための階段が爆風により吹き飛ばされたため、船倉に居た兵たちは逃げる事が出来す、阿鼻叫喚の巷となった。助かったものはただ一人のみで船倉の桁から垂れ下がったロープにすがり、必死に甲板に昇り付いたのである。____
[以上は船舶工兵第8聯隊中隊長吉田武(故人)の手記により山口市在住今田勇氏の校正編集になる「ニューギニア戦記」より]

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