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2008年8月26日 (火)

私にも青春はあった

8月25日(月)晴後曇
早朝から雲一つ見えない青空。これこそ秋の空。久しぶりに島々がはっきり、重なり合って見える。
これが原風景なんだ。しみじみ幸福を感ずる。
若き日に見た風景は毎日これ以上だったんだが、もう元の景色を見ることは生涯出来ないだろう。

6時起き出して庭の徒長した垣根木を整枝する。7時までには終る。汗もかかずに済ます。
食事はちょっとおいしいかな。

太陽が出て来ると雲も張り出して来て、どちらかというと雲の多い日になって来る。

午後広電に買い物に行く。ついでにディックによって高さ60cmの物置台を買う。
帰宅してからデジタルテレビをこれに置き換える。
これで一応格好がつく。

8月26日(火)曇
少し涼し過ぎる風が吹き込んで、もう秋の気配は争うべくもない。
古い日記を読み返していると、現代と違った私の青春を見つけた。
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 昭和15年(1940)の日記より
1月10日
 十七円にしては少し高すぎる嫌いはあるけれども、兎も角一年の総計であるアルバムが手に入ったことは嬉しい。新しい本と同じ様に何度もぱらぱらと捲ってみるのが楽しみである。前年のに較べると編集の仕方が目に見えて落ちてるけれども、非常時の折からとて物資不足、物価騰貴もこたえたであろうし、この辺で我慢すべきかもしれない。
(*卒業アルバムが配布された)
 田村君が今日学校に来ない。病気でもしたかと思ったが昨夜訪ねた時はぴんぴんしていたのだし、おかしいと思っていたが念の為行ってみると内には居らない。結局今晩になってこちらに訪ねて来たから聞くと、就職面会に徳山へ行ったとのこと、再三のこととて些かくさってでも居るだろうが、又今度は目でやられたといって、また今度はどこへでも行くさともう失敗った様な事を言って済ましていたが、内心はやはり焦っているだろう。何だか可哀想である。又彼自身としても不運がよくよく付きまとっている。帝人の時は風邪を引いて熱を出して体験で落ち、宇部窒素も不運にも駄目だった。今度こそはしかし何だか通りそうな気がしてならない。何しろ一昨年は石崎さん、昨年は羽村さんと二年続いて岩中同窓会から徳山曹達へ入社しているのだし、今年は後続なしと思っていたがこれあるための田村の二度の不運の失敗と思えば、思えないこともない様な気がする。どうかそうであってくれれば良いと、良友田村の為に祈りたいのである。
(*就職試験のこと)

1月16日
 富永君(高松高商)より便り来たる。昨年四月より音信絶えしままに現在に至ったものであるが、久しぶりの便りとあって非常に嬉しかった。
早速返事をしたためる。
 夜学校で晩餐会あり。校長を始め数人の先生方の陪席を恭うし、固い思いで洋食をいただいた。何だか余り腹が太らない様だ。それに少しづつ持って来るのだからやりきれない。全く残酷だなあと感ぜざるを得なかった。晩餐後ストーブを囲んで9時まで雑談しきり。立て役者は校長と二宮教授といった感じだが、大本教授の痛烈なる法律家的言論にはこの両者も些か技量が落ちると思われた。大本は口数少なけれども雄弁家なりと、今更ながら彼の人柄を愛する気持になった。
 帰って来ると、隣家のクーニャンが我が名を呼ぶ。「はい」と神妙に返事をすると、さも嬉しそうにくつくつと笑う。どうして可笑しいんだろう。不思議だ。(*彼女は3つ歳下の女学生である。卓球が縁で親しくなった。一方的な初恋はもっと早くしたかもしれないが、双方の初恋はこの交際だった気がする。もちろん手も握ったことはないがちょくちょく散歩に誘われたし、伺ってお茶も頂いた。)
 田村君は我が予想に違わず徳山曹達に決まった。これで岩中会も楽しく出来るというもの。慶賀すべきことだ。
 今日はほんとに楽しい日であった。
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隣家のクーニャンとは山口駅での電話で最後の別れを告げた。
文通は満洲鉱山就職後も、関東軍入営後も続いた。
しかし初年兵のとき、彼女が書いた手紙が女々しくて軍人にふさわしくないと、樋口班長に咎められ上靴ビンタや木銃での制裁を食らい、返事が書けなくなった。(*軍隊は書簡の検閲が行われていた)
こうして淡い恋は終った。
その後42年後に彼女から電話をいただいたのが、音信の最後であった。
この最後の電話のことはいつだったかこのブロッグで書いたことがある。

海の向こうの愛媛県では雨が降ってるとラジオがいってるが、こちらは雲行きは良くないが午後3時現在未だ降ってはいない。

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