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2007年8月 4日 (土)

戦場のはなし

8月3日(金)曇
台風5号は寝ている間に付近を通過して日本海に抜けたようだ。
あまり雨も降らないし,風もそれほど感じなかったし、他地方の被害状況がなんともピンと来ない。
よその人にお詫びを言いたいほど、すんなり通り過ぎて行った。
今朝はまだ小雨まじりの風が吹き込んで来て,まともには窓は開けぬが、結構涼しくて快適である。

夕方家内がビックに買い物行こうと云うのでお供をする。
寝具が少し必要らしい。
広い売り場をつき歩くわけには行かないので休憩室に入りコーヒーを飲みながらまつ。

隣に座っていた老人があなたは軍隊に行ったかと話しかけて来る。行ったよ,6年行ってたというと、私は2年だという。いくつになるんだと聞き返すと、84歳だと云う。それでは私より3つ下だなと相槌をうつ。
何処へ行ったのかと聞くとニューギニア方面にという。途中で船を撃沈され16時間泳いでいて、海軍に助けられたともいう。そうか、ニューギニアなら大変だったなあ、私の親友も船舶工兵でラエからフィンシハーフェンにかけて戦場往来し、病院で終戦になり、現在東京でくらしているのがいるが、あの方面は特に激戦だったからなあと話をつなぐ。

またセレベスで終戦を迎えたともいう。セレベスといえば、その首都の軍港マカッサルでは私の別の友人が駐屯していて、ある日友軍の特攻機が敵の爆撃機に体当たりしたのを目撃したと云ってたが、見たかと問うと首を横に振る。
セレベスと云っても大きな島だ。いくら空中だといってもタイミングもあるし、マカッサルに居なかったら見える訳は無い。老人の会話は昔から幼児の会話といっしょでまことにたわいがない。

私の例の癖で、世界中どこでも幼少の頃から地図に馴れ親しんで詳しいので,掌に開いた様な受け答えをする。
彼もだんだん話に窮して来たか、あれこれ問われると,返事に詰まり、無口になってしまった。

今は市内になったが元は隣町の、車で10分ぐらいの所に住んでるという。
話が途絶えると黙って立ち上がり、どこかへ立ち去る。大きな男だ。兵種は聞かなかったが多分野戦重砲兵かもしれない。大きな男でないと勤まらない部隊だから。
米軍はセレベスなど見向きもしないで、直接フィリッピンに上陸してしまった。おいてけぼりを食らって生き延びられた運のいい口だ。
私も似た様なもので人の事は云えないのかも。

もう戦争の体験談など語り合うものはいない。家族のものなど、かたから聞く耳を持たない。
嫌な時代ではあったが、それでも同世代で語り合うと民話を聞く様で懐かしい。いや、しゃべるのが楽しいのかな。

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