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2007年8月 3日 (金)

市場優先原理

今日の中国新聞に宇沢東大名誉教授の「市場優先拒否した国民」というコラムが載った。
小泉改革が市場原理主義を導入して実行された結果、”格差の拡大,社会の非倫理化、社会的紐帯の解体、そして人間的関係自体の崩壊を齎した”とある。
安倍首相はこの小泉改革の継承者であるから、”国民は明確な拒否意志を示したものである”、そしてその結果のこの惨敗で”日本の将来に明るい光を見いだせる様になった”とある。

私は少し違った意見を持っている。

格差の拡大は今に始まったことでもないし、徳川の時代からあった物凄い格差が、維新始め数々の画期的な変革によって,縮まり広がりした様に思う。景気の平坦化により現状維持が続き、格差の変更のチャンスが乏しいだけのことが、向上を志すものに不満感を齎しているに過ぎないと思う。
ただ市場原理をうまく利用して、ライブドアなどの様に濡れ手で粟を掴むものなどが出て来て、庶民を驚かし、改めて格差を感じ始めたのではなかろうか。

市場原理とは改めて申すまでもなく、こんな輩がいくらでも排出する制度なのである。
アメリカが良い例である。濡れ手に粟といわなくても、ちょっと奇抜な考えを実行して巨万の富を獲得し国民の喝采をはくするなど、国柄と云ってもよい経済原理で、そのままでは日本ではまだ根付くことは難しい原理だと思われる。

また社会の非倫理化も社会的紐帯の解体も、戦後すぐから始まった都市集中、大企業優先などの経済構造変化による、家族形態の変化に伴って必然的に生まれて来た負の要素だと思っている。
単純に市場原理主義の否定といえるかどうか疑問だと思っている。

もちろん行き過ぎの市場優先は私も嫌だし,一般国民も否定するだろう。
しかし時代は世界的にも競争社会一色になり、競り勝たなくては生きて行けないし国家も成り立たない。
程々に弱者救済をしながら、市場原理の良い面を追究しながら、多少の政策的抑制を加えて世界経済に伍して行く以外にないのではないかと思う。

露呈した年金問題の不愉快な処理のしかたが、反政府ののろしとなったが、安倍内閣でなくてもこの路線を走る以外に今は途がないと、野党も国民も思っているのではないか。
従って市場優先を拒否したとは私は思っていない。

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