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2007年1月31日 (水)

糞尿譚

先日いつも来る、浄化槽の検査員さんが薬を入れ替えて帰る。非常に奇麗に使って居られますねと誉めて帰ったとのこと。何せ6人槽か7人槽の筈の浄化槽を夫婦二人だけの使用のところを、毎月しらべにやってくるのだから、そんなに汚れるわけがない。
しかも3月か4月には掃除車で乗り込んで来て、大きなパイプであっという間に吸い込んで帰る。
便利なもんである。

いつかのブログで、戦後まもなくの食糧難の時代に、肥料を求めて町家の便槽を覗いて廻り、あくせく糞尿を集めて歩いたことを載せたことがあるが、思い出すと都会を一番悩ませたのは糞尿の処理だったようだ。
18歳の春、自転車で友人と二人で、中国山脈を越えて出雲大社に参ったことがあった。
朝早く広島に到着して、国道を北に向った時、延々と続く肥車に辟易したことが思い出される。
他人の排泄物の異臭はやはり何ともやりきれないものだった。町筋全体によどむこの匂いは毎日界隈の人たちにはさぞ苦痛の時間帯だったのではと想像しながら通り抜けたのだった。

徳富蘆花の”みみずのたわごと”には東京世田谷の肥車の行列を面白おかしく書いているが、狛江市のホームページにも往時農業が盛んだった時代に肥車の往来の壮観さを記載している。今はすっかり住宅地に変わった武蔵野に偲ぶよすがはない。
もっとも住民の出す糞尿を清掃する仕事は手許に盛り沢山あるはずだ。
便利の良い器械ができているから、いや下水管に直結してさっと一瞬のうちに流すから、その匂いを長時間かがねばならない悩みは払拭されたかもしれない。

だが便利が進み過ぎて、震災とか災害にあったとき、対応が出来なくなったらさぞ困るだろうなと今思ったりするのだが、いらぬ心配だろうか。

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