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2007年1月10日 (水)

旧友からの電話

耳元で鳴り響いている名曲に乗った胡蝶の夢が突如破られて、家内の大きな声に午睡から驚き目覚めた。
大阪から電話という。
格別心当たりはないから、未だ夢の続きかなと思いながら階段を下りる。
受話器を取ると、同窓のM君だ。どうしたんというと、返事はせずにええ音楽をかけてるなあという。
丁度FMがベートーベンの大公をやっている。下でも家内が大音量で掛け放しているのが、私を呼びに二階に上がった間、2、30秒間受話器から流れ込んだらしい。

そしておもむろに年賀状を貰って返事が遅くなって済まぬという。ひい孫の所に行って今帰ったところだという。
ひい孫は一橋の学生で彼の自慢の種であることを、先般の同窓会でしっかり聞かされていた。
自身の母も昔音楽家志望だったことまで持ち出し、正月らしい懐かし話まで出て来て尽きない。

正月になるとよく札幌の旧戦友が長電話して来て驚かされるが、今年は大阪だった。少し元旦は過ぎているが。

話題になったベートーベンの大公は私の最も好きな名曲の一つだ。18、9歳の学生の頃、学校の同好会の主催で市の教育会館で当時世界最高のトリオといわれた、コルトー、ティボー、カザルスの大公のレコードの試聴会を開いた事があった。もちろん聴衆皆賛嘆の声を発するばかりだった。
戦前で生の演奏は勿論レコードですら簡単に手に入るものではなかったし、その上、手回し蓄音機以外の音響装置は珍しい時代だった。

トルストイがベートーベンのクロイツェル・ソナタをテーマに有名なロマンを書いているが、私はこのソナタより大公がもっと好きだ。トルストイがバイオリンとピアノの交錯に両性の愛憎の高まりの激しさを感じたのに対し,大公は終始平和な家庭団欒の響きを醸し出し、チェロの加わった役割が大きく音楽を左右している様に私には感ぜられる。
どちらか甲乙は云えないが、好みの問題で取るしかない。
ベートーベンの曲はどれも単純な音楽では居ない。皆何かを語りかけているものばかりだ。

ベートーベンはいつ、どんな場面に出くわしてもやはり素晴らしかった。

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