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2006年9月 3日 (日)

新雪という映画

戦争中に作られた映画で『新雪」というのがあった。
私が見たのは、昭和19年8月、中国湖南省長沙の当時の地区軍司令部の地下であった。
何度目かの米空軍B24の大編隊の絨毯爆撃のあった日だったか翌日だったか、損害報告のため司令部に出向いた。
私の部隊は既に前方約百キロの地点に前進していたが、私の隊の一部だけが、私の病気看病のため居残っていて、たまたまこの爆撃に遭遇したわけだった。
幸い殆ど被害がなかったので、その状況と付近の被害状況の報告だった。
確か長沙に入った時も駐留のための差配を受けた覚えがあり、地区司令部の指揮下に入っての駐留であることを承知していたからであった。
司令部の係官はその報告を喜び、今夜日本映画を上映するから見に来ないかと誘われた。
その映画が『新雪」であった。私に取ってはもう4年ばかりほとんど日本映画を見ていなかったので、俳優の名はよく知らなかったが、凄く新鮮で感激に咽んだ。
対中国輸出映画と見え支那語の字幕がついていた。
もう筋は思い出せない。
帰国してから今日まで、いつか見たいものだと待っていたが、未だに再上映の噂を聞かないし、見る機会を得ない。
ビデオか何かないものかと捜したが見当たらない。主題歌は灰田勝彦の歌で有名なのに。
どうやら今生で再びお目にかかることはなさそうだ。

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