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2006年4月29日 (土)

ミイラ

緑の日にふさわしいとは思わないが、丁度今ごろの話だったので、私の日記から借用する。
二十年以上前の事である。
隣の奥さんから、その所有して居られるアパートの住人の一人が、2、3ヶ月家賃を支払わない、行ってみたが鍵が掛かって留守だし、近所の住人も最近見かけないから、どこかへ引っ越したか、夜逃げしたのではという。
ということで、当時鍵屋をしていた私に、合鍵がないので、壊してもよいから開けて鍵を取り替えてくれと頼まれた。
大分遠い所にあったアパートに出かけて、ドア鍵は直ぐ解錠したが、ドアが開かない。中から別に鍵を掛けているらしい。ドアの郵便受けの穴から、中を覗いて見るに格別変わった様子はない。食器などが整然と並べてある。
ここは2階の一室で、反対側の窓の外は手がかりは何もない。窓から飛び降りて逃げるにしても危険過ぎる。
死んでいるのではないかと思って、中からの匂いを一所懸命かいだが、格別死体の匂いはしない。丁度郵便配達人が来合わせたので、頼んで嗅いでもらう。やはり臭わないという。
これ以上は私には出来ないので、隣の奥さんに、ひょっとして死んでるのかも知れませんよ、警察に連絡してみたらどうですかと連絡する。
夜になって、隣の奥さんから、やはり死んでいた、後が大変だった、親戚を捜すやら来てもらって片付けるやらと電話が入った。
これから後は新聞記事に載ってたことである。
「警官が窓を壊して入ってみた所、電気コタツに入ったまま若い女の人が死んでいて、すでにミイラになっていた。自殺の疑いがある」
私がしたことは勿論新聞には何にも載らなかったが、電気ゴタツの中で死ねば匂いもしないし、乾燥してミイラになってしまうという、現代にふさわしい新しい発見をしたと思った。

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