« 老化進む | トップページ | 還暦の歳 »

2006年3月29日 (水)

不惑の歳

今考えると私の人生の最大の難局に当面した時期だったと思う。受け継いだ資産を失い、事業も倒産の危機に直面していた。最後の手段は何か?(当時の日記より)

『昭和35年2月14日(手帳メモより)
死!それは或る場合には最高の恐れであり、或る場合には最高の憧れとなる。
死にたいと感ずるときは後者であり、死にたくないと思う時は前者である。
いずれにしろこの生けるものの究極の時は好むと好まざるとを問わずいつかはやってくる。
しかしこれは人生最後のものであり、故意にこれを招くには訂正が出来ないだけに結果的に見て正しかったと断ずるだけの確信がなければ実施すべきではあるまい。我を生かすために両親、家族、社会の投じた資本は恐らく想像に余るものがあろうし、来世を信ずるものといえども、今生を完全に捨て切る境地には仲々到達出来るものではないと思う。

私は幸か不幸か来世を信ずることが出来ない。唯今生をこそ最善に悔いなく生きたい、これだけが念願だ。
だから、自分の能力一杯に、いやもっと自分の限界がどれだけあるか試す意図すらもって、力以上に何でも手当り次第やって見たいし、やってきたつもりだ。
勿論ミスも素晴らしく多く、死を考える状況に立ち至ったことも何度か起きたし、現在も絶えず死神を背に頑張っているといって過言ではあるまい。が失敗は確かに如何なる教訓にも勝る。少なくとも随分賢く偉くなったつもりだ。
つい先日不惑の年を迎えたが、何と迷いの多き現在の心境よ!

案外このまま人間的完成を遂げることが出来ず失敗の連続の中に空しく野垂れ死にするかもしれない。弁慶が衣川のほとりに数十本の矢を受けて阿修羅のごとくなって倒れる様な事になるかも知れない。その様が眼前にほうふつとして浮かび上がって来るようだ。』

|

« 老化進む | トップページ | 還暦の歳 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/157907/9309545

この記事へのトラックバック一覧です: 不惑の歳:

« 老化進む | トップページ | 還暦の歳 »