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2006年2月21日 (火)

眠らせて貰えなかった一日

昭和23年2月29日(日)
 昨日夜8時の汽車で来ることになっていた進駐軍の健二さん(注:母の従兄弟)はとうとう9時の汽車まで待ったが来ない。帰宅したら9時半、風呂に入ったり、明日山口へ行く準備をしているともう11時、あわてて寝床に着いたが、たかだか1時間足らずの眠り得る時間も明日に対するあれやこれやの思いで寝付かれ無い。
無理にも少し眠っておかねばと、思いをかき消して眠ろうとするが益々眠れない。うとうとする間に12時の目覚まし時計のベル。そのままの夜警。(注:当時盗難が多かったので自警団を組織していた)
0時からの夜警。藤本、由良両君とも寝忘れたり、知らなかったりで一向に出て来ない。1時近くになって起こしに廻る。
夜警を早めに切り上げて3時半家に帰り、早速着物を着たり、茶ずけをかきこんだりして、駅路に急ぐ。
先生は既に来て居られる。挨拶をして一緒に行く旨を告げると大変喜ばれる。余り山口についてご存じないらしい。
汽車の中で眠られると思って来たのだが、付き添いの山田さんのお母さんとの話が弾み、てんで寝付かれ無い。徳山、三田尻など一向に気付かぬまに山口へ着く。
音楽会は大盛況。皆上手だ。妹の演奏ぶり始めて見たが一向に栄えない。しかしピアノのないものがよくあの位までになれたとの感慨は強い。
疲労のせいでひるまえになるとひどく眠い。
用事があるからと断って午後は失礼する。街を歩き廻る。日曜のせいかひどく賑やか。駅から師範学校まですっかり立派な街路に変わってしまって、昔の面影は更にない。
「たぬき」は昔のままの姿を橋のたもとの店の前にその姿を曝している。よく出入りしたあの頃のことが思い出される。ちょっと覗いて見るといっぱいの客。諦めて出る。本を買う。ゲーテのファウスト。楽器を買いたかったのだが高いから止める。
15時前駅に行く。先生たちに落ち合う。帰途は全く疲れて苦しい。しかし座り込んで話を始めると叉弾む。3時間半の旅もちょっとの間の様に何気なく終わる。20時駅に着く。別れる。先生を送る。疲れて風呂に入り寝る。楽しい一日だった。バタン!キュー!

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